インコネル 625 (UNS N06625 / W.Nr.2.4856)

インコネル625は、主にニッケル（58%）、クロム（20～23%）、モリブデン（8～10%）、マンガン（5%）、鉄（3～5%）で構成されています。また、微量のチタン、アルミニウム、コバルト、硫黄、リンも含まれています。これらの元素の組み合わせにより、高温下でも酸化や腐食に耐性があります。

合金625は、高い強度、優れた加工性、そして卓越した耐食性を持つニッケルクロム合金です。使用温度範囲は極低温から980℃（1800°F）までです。合金625の強度は、ニッケルクロムマトリックスにおけるモリブデンとニオブの固溶強化効果によって得られます。

そのため、析出硬化処理は必要ありません。この元素の組み合わせは、非常に厳しい腐食環境下における幅広い腐食性、そして酸化や浸炭といった高温の影響に対する優れた耐性も生み出します。

インコネル合金625は、その優れた機械的特性から、非常に需要の高い合金です。優れた疲労強度、引張強度、そして1500°F（華氏1500度）の高温下でも高いクリープ破断強度を有しています。さらに、耐応力腐食割れ性と耐酸化性にも優れているため、多くの過酷な用途に適しています。UNS N06625は、他の多くの類似材料と比較して優れた溶接性と成形性を備えているため、深部成形や複雑な接合が必要な部品に最適です。総じて、インコネル625は、競争の激しい金属合金業界において、非常に強度が高く、汎用性の高いソリューションです。

このグレードの挙動と化学組成は、原子力および航空宇宙用途に最適です。